最近の気になるニュース LCC連合
カテゴリ:  エアライン動向 / テーマ: 航空機全般 / ジャンル: 趣味・実用
2016年がひとつの潮目の年になるか。今年1月に発足した世界初のLCCのアライアンス、U-LFY Alliance。中国系4社連合だったので、まだまだ業務提携くらいの感じかと思うくらいだった。そこへ今回5月に発足したValue Alliance、東アジアの多国籍LCCアライアンス誕生のニュースである。この動き、欧米に広がれば既存の航空業界の再編にもつながるかもしれない。LCCではないが、北米ではすでに本年4月Alaska AirlinesがVirgin Americaを買収すると発表している。LCC同士の合従連衡も含めて要注目である。

こういう業界の動きは、ブランドの変更や新デザインの導入、アライアンス特別塗装の動きがあるかもしれないので要注目である。

ここまでの動きをちょっとまとめておきたい。
▼U-FLY Alliance
2016年1月発足。創立メンバーは中国のLCC4社。HongKong Express、Lucky Air(雲南祥鵬航空)、Urumqi Air(ウルムチエア)、West Air(西部航空)。LCCによるアライアンス設立は世界初となる。4社を合わせた70機で東アジア85箇所168路線をカバーする。HongKong Expressは50機のA320を発注済みで他社分も合わせて2020年には200機体制になる。中国国内を中心に精力拡大を図りそう。Spring Airlines(中国春秋航空)がコンペになるんじゃないだろうか。

▼Value Alliance
2016年5月発足。設立メンバーは東アジア地区の8社。Cebu Pacific(比)、Jeju Air(韓)、Nok Air(泰)、NokScoot(泰)、Scoot(星)、Tigerair(星)、Tigerair Australia(豪)、Vanilla Air(日)。174機で、就航地が160地点を数える。

▼Etihad Airways Partners
アライアンスはあくまでも対等提携だが、一方で資本関係を結んでアライアンスと同様の動きをしているのがEtihadである。Air Serbia 、Air Seychelles 、Air Berlin、Alitalia 、Darwin Airline、Jet Airways、Virgin Australiaと提携し独自の戦略を練っているような感じだ。ヨーロッパ~中東~インド洋~オーストラリアの1本路を中核にすえて、中国の一体一路を想いおこさせる。

さて、ここでLCCとLCCアライアンスについてちょっと考えてみたい。あくまで素人目線なので、今後のなりゆきを見守る必要はある。LCCの特徴と言えば、(1)ノンフリルサービス、(2)中・短距離路線、(3)小型機単機種、(4)多頻度運航、(5)セカンド空港利用などである。一方でアライアンスのメリットと言えば(a)路線の融通、(b)予約システムの共有化、(c)サービスの共有化による顧客の囲い込み、(d)メンテナンス・オフィス施設などの共用可だろう。

よくよく考えてみると、従来のアライアンスとは違った形になりそうである。LCCのアライアンスの狙いがまだ理解できていない。一番のポイントは(3)だろうか。アライアンスによって機種のバリエーションが増えることで(b)は逆に複雑な物になる。A320/B737の違いに加えて、A330のような大型機もあればATRのような小型機までカバーする必要がある。(c)については持ち込み荷物のサイズが機材によって変わるかもしれない。そのあたりも予約システムに影響が出そうだ。(d)について搭乗サービスは相互委託できるだろうが、機材メンテなどはどうなるだろうか。自社機材と同じ機材であっても実際には色々と難しい問題があるはずである。今後アライアンスとしての機材統一の流れが出てくるのかもしれない。

そもそもアライアンスのメリットというか目的は、特に長距離便で単独で路線網を整備するよりも相互に路線を共有することでコストを押さえつつ共通のサービスで顧客を囲い込むことにある。長距離路線の先は相手側のネットワークを利用する。いわばハブ&スポーク型の乗り継ぎ客にとって一番メリットが出る。もともと2拠点間を高頻度で運航することがLCCの特徴なので共同運航による乗継ぎ客の取り込み需要が想像しにくい。例えばビジネス顧客がANAでタイへ行き、タイ国内や中東、アフリカにへ移動するなんてことは充分に想像できる。一方でTigerairのお得意さんが日本でVanilla Airを積極的にチョイスするというシーンが想像しにくいのである。Vanilla Airが台北を拠点化するというのもその辺りを考えての戦術かもしれない。

今のところU-Flyは中国国内のLCCアライアンスなので、全体としてSouthwest Airlinesのようなビジネスモデルに落ち着くのかもしれない。人口分布を考えるとそれに匹敵するかそれ以上の需要は想像に難くない。一方でValue Allianceは8社176機で160拠点をカバーするという。アメリカSouthwestが700機超で約100拠点、ヨーロッパRyanairは300機超で200拠点あまり、マレーシアのLionairも今でこそ100機あまりで100拠点以上を運航しており、なお400機以上の新造機を発注済みである。これらに対抗するためには同じ土俵で戦うわけににはいかないだろう。現時点ではValue Allianceは規模の割にカバー領域が広すぎるという印象である。都市間の運航だけではなく、魅力的で独特な路線の開拓を狙う必要があるだろう。たとえば域内の全てのテーマパークのスポンサーになっているのでテーマパークのハシゴに最適!とか、世界遺産には全て路線があって、しかも毎日複数便運航しているので旅行の日程が組みやすい!とか。

とはいえLCCのアライアンスは今年始まったばかりである。今後様々な動きが出てくるはずなので、興味深く見守っていきたい。まあ株式投資なんてやってないし、業界がどうなろうとわが身に関係など全くない。興味の対象はアライアンス特別塗装機なんてのが発表されたりしないかなーという程度なんであるが。モデル化のネタに繋がるニュースは今後も目が離せない。というか世界規模にダイナミックな動きが見える数少ない業界なのでそれだけでも面白い。
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編集 / 2016.05.22 / コメント: 0 / トラックバック: 0 / PageTop↑
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Author:ununennium
【New2011.4】 Facebookとの連携を只今試験中・・・

小さくても存在感抜群。場所もとらない1/500エアラインモデルの世界。小さなボディにカラフルなデザイン。メジャーからマイナーエアラインまでバリエーションは数千種類。登場は1994年と比較的新しい市場で欧米香港から毎月新モデル発売中。

・コレクションポリシー
1/500が中心。軍用機は基本対象外(例外:自衛隊、買い間違い)。各エアライン、各時代のデザインモデルをワイドボディ機優先でコレクション(例外:新金型による新機材モデル)。レジ違い位では買わない。ファミリー機材の違い(A340-200と-300)位では買わない。たまに出てくる全プラ製モデルは買わない。頂きモノ・抽選モノは拒まない。破損したら再購入。ということで重複買い事件も多発。


★尾翼シリーズ★
THE TAILはエクセルとペイントブラシにより描画。たまにInkscape。簡単に描けるもののデザインの変遷や背景調査が難しい。ライフワークになったりして。エアライン毎に既述、判明次第追記して行く事とする。ブログじゃないなこりゃ。

【文中の略号について】
OG:Old Generation。Herpa旧世代金型。
NG:New Generation。OGの対義語。2000年以降の新金型
LCC:Low Cost Carrier。格安航空会社
FSA:Full Service Airline。格安航空会社ではない普通の会社
TBL:To Buy List。買わなきゃリスト。常に携行が必要。
MBL:Must Buy List。絶対買わなきゃリスト。
CCL:Complete Collection List。1/500モデルのほぼ全リスト。

以下ブランド略号
AC:AeroClassic/Aero500
AF:Alliance500
BB:BigBird500
HG:Hogan
HW:Herpa Wings
IF:Inflight500
NM:Netmodel
SF:Sky500
SJ:StarJets

機材略号
特にルールは決めていないが大体以下の要領
B777-300 → B773
B777-300ER → B773(特に分けて既述していない)
A330-200 → A332

【新製品の欲しいリストについて】
★:「値段次第で即買い」の幻のモデル
■:持ってるモデル、あるいは買ったモデル。
◎:発売されたら「即買い」
○:財布と相談しながらも基本的には「買い」
△:コレクション対象だが見送り
×:コレクション対象外

【その他特記事項】
・記事中の年表について
 ┌← 継承
 ┌+ 複数社合併による設立
 20XX 設立または改名
 └→ 20xx 吸収消滅
 = 20xx 統合、合併
 |← 買収
 |→ 売却
 |+ 子会社設立
 × 20xx 倒産、整理
・記事中の年代について
機材導入時期については発注・導入・運行の3時期が結構あいまいで確認できないことも多い。特に1960年以前の古い機体や旧ソ連の機材などは資料すらないことが多い。基本的にデリバリーとは新造機材がメーカーからエアラインに納入された日。他エアラインからの購入・リースは導入と記載。

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