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航空業界の動向と今後 (4)
カテゴリ: ■雑感 / テーマ: 航空機全般 / ジャンル: 趣味・実用

■LCC 続き

 LCCのもう一つの特徴は、必ずしも大国でLCCが成功しているとは限らない点である。特にヨーロッパでは、アイルランド、ハンガリー、ノルウェー、アジアでもマレーシア、インドネシアでLCCの成長が著しい。経済大国では自国のメガキャリアの存在感が大きくLCCが育ちにくいのか、ニッチな市場への参入は新規参入者の方がスピードが速いということだろう。北朝鮮が数年後民主化されて航空規制が撤廃されると一気にLCCで東アジアに攻勢をかけてくるような事になるかも知れない。(多分日本人は誰も乗らないだろうが)。過去に縛られないというのは、既存のエアラインにとってはかなりの脅威になるものである。

LCCはもともと航空自由化を導入したカーター政権に始まった。そのためLCCは北米、ヨーロッパで早い段階で成功を収め、ビジネスモデルを確立している。もっとも成功したサウスウエスト航空はB737を500機以上も抱えるメジャーエアラインとなった。一方で世界の翼と謳ったパンナムは倒産してしまい、さらにその後路線を引きついたFSAもLCCに対しては守勢一方になっている。LCCがビジネスで成功したのにはいろいろとそれなりの理由が挙げられる。

ノン・フリルという飾り無し、過剰なサービス無しを売り文句とし、その分コストを削減し、料金を引き下げた。機内食・ドリンク・雑誌・おしぼりの廃止・有料化や、チケットの廃止、予約の廃止など徹底したコスト削減を実施した。それでも旅客は安さを求めてLCCに流れた
設備費用の削減。大型・混雑空港から大都市郊外の地方空港に乗り入れ、駐機場料金(重量課金)を削減し、タラップで乗り込ませることで、ボーディングブリッジの使用料を削減した。
大量のジェット機を同一機材として、整備費やパイロットの教育費を大幅に削減した。
CAが機内清掃を行い、清掃費用と清掃要員の人件費をカット。パイロットやCAなど大量採用し、組合に抵抗されること無く、新しい給与体系を導入できた。結果的に高給与体系であるFSAに比べてコスト競争力が格段に向上している。
それでいて旅客が望むサービスに特化し、アピールしたこと。サービスをカットして価格を下げただけではなく、500Kmから1,000Kmのポイント・トゥー・ポイントの直行便を多数設け、さらに、機内清掃をCAが担当することで駐機時間を減らすことで1日あたりの便数を増やすことが出来た。これはいつでも予約なしで乗れるという安心感を旅客に与えた。

 現在でもほとんどのFSAはIATAというカルテルに所属し、航空運賃はIATAが取り決めを行っている。この存在が、既存のエアラインの利益を守ってきた反面その高コスト体質の付けを利用者に負担させているという批判が根強くあった。最近設立されたLCCは当初IATAに加入することなく独自の理念に従って価格を設定し旅客の支持を得ていた。結果的に航空運賃のカルテルが崩壊しつつある。

 FSAのアキレス腱は長年続いた従業員の高賃金体質といえるだろう。JALは2009年国の資本参加を許した。8つもある組合との関係、OBへの高額な社会保障など最近破綻したアメリカの自動車メーカーとまったく同じ構図である。2009年の決算を見る限りLCCが高い成長率を維持しているのにくらべ、FSAは軒並み経営不振にあえいでいる。2009年6月ルフトハンザが同じスターアライアンスのbmiを買収したことを発表した。航空連合という名の下に、経営統合が進み行われるようになるかもしれない。羽田=伊丹間を太極印の飛行機が片道3,000円程度で飛び交う日が来るのだろうか。

 LCCの中にはもちろん、安さを追求するあまり、安全性に問題があったり、事故や経営環境の悪化によって消滅した会社も数多い。しかしそういった初期のLCCも自然淘汰され、昨今のLCCは安全性も大手FSAとなんら遜色が無いレベルであるといわれている。 会えて弱点があるとすると、急成長に伴って採用された大量のパイロットが、一斉に高賃金になっていくということだろうか。最も古く最大のエアラインであるサウスウエスト航空は今後今とは違った形のエアラインに変貌するかもしれない。

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編集 / 2009.08.08 / コメント: 0 / トラックバック: 0 / PageTop↑
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ununennium

Author:ununennium
【New2011.4】 Facebookとの連携を只今試験中・・・

小さくても存在感抜群。場所もとらない1/500エアラインモデルの世界。小さなボディにカラフルなデザイン。メジャーからマイナーエアラインまでバリエーションは数千種類。登場は1994年と比較的新しい市場で欧米香港から毎月新モデル発売中。

・コレクションポリシー
1/500が中心。軍用機は基本対象外(例外:自衛隊、買い間違い)。各エアライン、各時代のデザインモデルをワイドボディ機優先でコレクション(例外:新金型による新機材モデル)。レジ違い位では買わない。ファミリー機材の違い(A340-200と-300)位では買わない。たまに出てくる全プラ製モデルは買わない。頂きモノ・抽選モノは拒まない。破損したら再購入。ということで重複買い事件も多発。


★尾翼シリーズ★
THE TAILはエクセルとペイントブラシにより描画。たまにInkscape。簡単に描けるもののデザインの変遷や背景調査が難しい。ライフワークになったりして。エアライン毎に既述、判明次第追記して行く事とする。ブログじゃないなこりゃ。

【文中の略号について】
OG:Old Generation。Herpa旧世代金型。
NG:New Generation。OGの対義語。2000年以降の新金型
LCC:Low Cost Carrier。格安航空会社
FSA:Full Service Airline。格安航空会社ではない普通の会社
TBL:To Buy List。買わなきゃリスト。常に携行が必要。
MBL:Must Buy List。絶対買わなきゃリスト。
CCL:Complete Collection List。1/500モデルのほぼ全リスト。

以下ブランド略号
AC:AeroClassic/Aero500
AF:Alliance500
BB:BigBird500
HG:Hogan
HW:Herpa Wings
IF:Inflight500
NM:Netmodel
SF:Sky500
SJ:StarJets

機材略号
特にルールは決めていないが大体以下の要領
B777-300 → B773
B777-300ER → B77W
A330-200 → A332

【新製品の欲しいリストについて】
●:新製品発表モデル
★:発見次第即買いの幻のモデル
■:既集モデル
◎:発売されたら「即買い」
○:財布と相談も基本的に「買い」
△:コレクション対象だが見送り
×:コレクション対象外

【その他特記事項】
・エアライン歴史について
 ┌← 継承
 ┌+ 複数社合併による設立
 20XX 設立または改名
 └→ 20xx 吸収消滅
 = 20xx 統合、合併
 |← 買収
 |→ 売却
 |+ 子会社設立
 × 20xx 倒産、整理

・記事中の年代について
機材導入時期については発注・導入・運行の3時期が結構あいまいで確認できないことも多い。特に1960年以前の古い機体や旧ソ連の機材、軍用機などは資料すらない。基本的にデリバリーとは新造機材がメーカーからエアラインに納入またはリース導入された日。他エアラインからの購入・リースは導入と記載。

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