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尾翼の色彩学(1)
カテゴリ: ■雑感 / テーマ: デザイン / ジャンル: 学問・文化・芸術
エアライン・ロゴマークの色について

ロゴマークの色
巨大国際空港に行くと様々なカラーリングの機体がずらりと並び、異国情緒満点である。半世紀前は神戸や横浜といった国際港でも世界各国から入港する貨物船客船、客船と様々な色彩の旗旈信号や国旗がその華やかさを演出していたものである。エアラインのデザインはそういった海運のデザインの影響を色濃く残している。機体と船体にはスピードをイメージさせるチートラインが引かれ、尾翼と煙突には所属会社のロゴマークが描かれている。船の場合はファンネルマークといわれるが、飛行機の場合、ほぼ平面に近い尾翼ではよりデザインの重要性が増すことになった。会社のロゴにしろ、国営の場合は国旗からのデザインにしろ当初はごくシンプルなものが多かった。これはデザイン性よりは識別性を優先させた結果だろう。もともと国旗からして大航海時代以降船の所属を表わし、その識別のための旗旈が起源とされている。

古くから個人や団体(部隊や組織、家系)、国家を区別するものとして旗や目印が使われていた。特に目印の需要が高かったのが戦場だろう。同士討ちを避けるため或いは本陣から味方の布陣が把握しやすいように識別する仕組みが必要だった。ヨーロッパでは甲冑が発達し個人の顔が見えなくなってきた中世(12世紀)ごろ、それに替わって個人を識別させるために盾に独自の色や模様をつけ始めた。これが家紋をあらわす紋章である(実際には家系毎ではなく個人毎に紋章が少しずつ異なっていたようで、この辺が日本の家紋と大きく異なる)。16世紀ごろになると紋章の紛らわしさや重複を避けるため、デザインとその承認・保存、鑑定を行う紋章官が置かれるようになった。紋章官の取り決めすなわち紋章学で色彩に関する取り決めが行われ、これが現代の国旗などにも継承されている。国旗が国際的に制定され始めたのは19世紀後半といわれている。

エアラインのデザインというか色彩は国旗に由来する物が多かった。これは初期のエアラインの多くが国営だったことも関係がある。その国旗のデザインの起源は中世の紋章学に求められるというわけである。紋章学では色彩を以下のように取り決めている。
①金属色 (金色(黄色での代用可)、銀色(白での代用可))の2色のうちどちらかを使用すること。ただし同時にこの2色は使えない。
②原色(青、赤、黒、緑)の4色(後に紫が加えられたがあまり使われない)のどれかを使うこと。中間色は許されない。
Cort of Arm Color

国旗の制定はヨーロッパが中心だったので結果的にヨーロッパの国旗はこの6色のどれかを使っていることが多い。ちなみに金属色の黄色と白色は教会の高位聖職者以外では同時に使用できないという取り決めがあるらしい。白と黄色がどちらも明るい色なので遠目には判別しにくいということもあったのだろうが、現在でもバチカン市国だけが白と黄色の2色が使われている(例外的にキプロスが白地に黄色のキプロス島だがこれは、同国のイスラムとキリストの紛争に配慮してギリシャの青、トルコの赤どちらにも遠い色として黄色が選ばれたためである)。

結果的に飛行機の機体の地の色が白(銀色)だったこともあり、ロゴマークは4色の原色が使われることが多くなったようだ。

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編集 / 2009.09.09 / コメント: 0 / トラックバック: 0 / PageTop↑
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ununennium

Author:ununennium
【New2011.4】 Facebookとの連携を只今試験中・・・

小さくても存在感抜群。場所もとらない1/500エアラインモデルの世界。小さなボディにカラフルなデザイン。メジャーからマイナーエアラインまでバリエーションは数千種類。登場は1994年と比較的新しい市場で欧米香港から毎月新モデル発売中。

・コレクションポリシー
1/500が中心。軍用機は基本対象外(例外:自衛隊、買い間違い)。各エアライン、各時代のデザインモデルをワイドボディ機優先でコレクション(例外:新金型による新機材モデル)。レジ違い位では買わない。ファミリー機材の違い(A340-200と-300)位では買わない。たまに出てくる全プラ製モデルは買わない。頂きモノ・抽選モノは拒まない。破損したら再購入。ということで重複買い事件も多発。


★尾翼シリーズ★
THE TAILはエクセルとペイントブラシにより描画。たまにInkscape。簡単に描けるもののデザインの変遷や背景調査が難しい。ライフワークになったりして。エアライン毎に既述、判明次第追記して行く事とする。ブログじゃないなこりゃ。

【文中の略号について】
OG:Old Generation。Herpa旧世代金型。
NG:New Generation。OGの対義語。2000年以降の新金型
LCC:Low Cost Carrier。格安航空会社
FSA:Full Service Airline。格安航空会社ではない普通の会社
TBL:To Buy List。買わなきゃリスト。常に携行が必要。
MBL:Must Buy List。絶対買わなきゃリスト。
CCL:Complete Collection List。1/500モデルのほぼ全リスト。

以下ブランド略号
AC:AeroClassic/Aero500
AF:Alliance500
BB:BigBird500
HG:Hogan
HW:Herpa Wings
IF:Inflight500
NM:Netmodel
SF:Sky500
SJ:StarJets

機材略号
特にルールは決めていないが大体以下の要領
B777-300 → B773
B777-300ER → B77W
A330-200 → A332

【新製品の欲しいリストについて】
●:新製品発表モデル
★:発見次第即買いの幻のモデル
■:既集モデル
◎:発売されたら「即買い」
○:財布と相談も基本的に「買い」
△:コレクション対象だが見送り
×:コレクション対象外

【その他特記事項】
・エアライン歴史について
 ┌← 継承
 ┌+ 複数社合併による設立
 20XX 設立または改名
 └→ 20xx 吸収消滅
 = 20xx 統合、合併
 |← 買収
 |→ 売却
 |+ 子会社設立
 × 20xx 倒産、整理

・記事中の年代について
機材導入時期については発注・導入・運行の3時期が結構あいまいで確認できないことも多い。特に1960年以前の古い機体や旧ソ連の機材、軍用機などは資料すらない。基本的にデリバリーとは新造機材がメーカーからエアラインに納入またはリース導入された日。他エアラインからの購入・リースは導入と記載。

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