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尾翼の色彩学(2)
カテゴリ: ■雑感 / テーマ: デザイン / ジャンル: 学問・文化・芸術
前回、キリスト教圏の国旗の色彩と飛行機の塗装色彩との関係について触れた。こうした国旗を起源とする原色での識別デザインは、キリスト教圏の植民地支配時代に、世界中でスタンダードになったようでキリスト教圏であるヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアでは色使いに同じ傾向があるように思う。

ただ、近年になってこうしたかつての殖民支配の色彩を引きずることなく、地域毎に政治的に定められた配色も存在している。これらは区別というよりも、地域や民族の連帯を強めるために用いられることが多く、地域内では各国国旗で同様の色が多用されている。よく知られているものを挙げると、汎スラブ色、汎アラブ・イスラム色、汎アフリカ色などがある。

汎スラブ色とは東ヨーロッパ圏の色彩で、赤・青・白の3色からなる。起源は1848年の第一回汎スラブ会議での制定と言われ、元々はロシア帝国の国旗から影響を受けている。革命と自由を象徴しているそうである。現在でもロシア、チェコ、クロアチアなどの国旗がこの三色だし旧ユーゴも同様の配色である。アエロフロートはロシア国旗をモチーフとしているので典型的な汎スラブ色のエアラインといえるだろう。クロアチア航空もデザインの変遷にもかかわらず三色が継承して使われている。

汎アラブ色とは中東地域の色彩で黒・赤・緑・白の4色からなる。起源は1916年、オスマントルコ帝国に対するアラブの反乱で、4つの色はそれぞれイスラムの指導者を象徴していると言われる。すなわち預言者ムハンマド(黒)、ウマイヤ朝(白)、ファーティマ朝(緑)、ハワーリジュ派(赤)である。中東や北部アフリカのイスラム圏ではこの4色の国旗が圧倒的に多い。ただ、エアラインでの採用となるとあまり思い浮かばない。エチアード航空やエミレーツ航空、ガルフエアなどが特徴的である。

汎アフリカ色とはアフリカ諸国の色彩で赤・黄(金)・緑・(黒)の3(4)色からなる。ラスタカラーとしても知られるが、元々はジャマイカを中心とするアフリカ回帰運動で、特にアフリカで唯一独立を保っていたエチオピアへの回帰を目指す黒人の思想ラスタファリズムが起源となっており。そのエチオピアの国旗の色に因んでいる。運動そのものは1930年ごろからアメリカ、カリブ諸国を中心に起こったが1960年前後のアフリカの相次ぐ独立のシンボルカラーとしての性格も帯びるようになり、中部アフリカを中心に多くの国で国旗に採用されている。赤は殉教のために流された血、緑はアフリカの植生、黄(金)はアフリカの富と繁栄を象徴しているとされる。国旗をモチーフとしたデザインでは南アフリカ航空、エチオピア航空、エアナミビアなどが思い浮かぶ。
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編集 / 2009.10.18 / コメント: 0 / トラックバック: 0 / PageTop↑
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ununennium

Author:ununennium
【New2011.4】 Facebookとの連携を只今試験中・・・

小さくても存在感抜群。場所もとらない1/500エアラインモデルの世界。小さなボディにカラフルなデザイン。メジャーからマイナーエアラインまでバリエーションは数千種類。登場は1994年と比較的新しい市場で欧米香港から毎月新モデル発売中。

・コレクションポリシー
1/500が中心。軍用機は基本対象外(例外:自衛隊、買い間違い)。各エアライン、各時代のデザインモデルをワイドボディ機優先でコレクション(例外:新金型による新機材モデル)。レジ違い位では買わない。ファミリー機材の違い(A340-200と-300)位では買わない。たまに出てくる全プラ製モデルは買わない。頂きモノ・抽選モノは拒まない。破損したら再購入。ということで重複買い事件も多発。


★尾翼シリーズ★
THE TAILはエクセルとペイントブラシにより描画。たまにInkscape。簡単に描けるもののデザインの変遷や背景調査が難しい。ライフワークになったりして。エアライン毎に既述、判明次第追記して行く事とする。ブログじゃないなこりゃ。

【文中の略号について】
OG:Old Generation。Herpa旧世代金型。
NG:New Generation。OGの対義語。2000年以降の新金型
LCC:Low Cost Carrier。格安航空会社
FSA:Full Service Airline。格安航空会社ではない普通の会社
TBL:To Buy List。買わなきゃリスト。常に携行が必要。
MBL:Must Buy List。絶対買わなきゃリスト。
CCL:Complete Collection List。1/500モデルのほぼ全リスト。

以下ブランド略号
AC:AeroClassic/Aero500
AF:Alliance500
BB:BigBird500
HG:Hogan
HW:Herpa Wings
IF:Inflight500
NM:Netmodel
SF:Sky500
SJ:StarJets

機材略号
特にルールは決めていないが大体以下の要領
B777-300 → B773
B777-300ER → B77W
A330-200 → A332

【新製品の欲しいリストについて】
●:新製品発表モデル
★:発見次第即買いの幻のモデル
■:既集モデル
◎:発売されたら「即買い」
○:財布と相談も基本的に「買い」
△:コレクション対象だが見送り
×:コレクション対象外

【その他特記事項】
・エアライン歴史について
 ┌← 継承
 ┌+ 複数社合併による設立
 20XX 設立または改名
 └→ 20xx 吸収消滅
 = 20xx 統合、合併
 |← 買収
 |→ 売却
 |+ 子会社設立
 × 20xx 倒産、整理

・記事中の年代について
機材導入時期については発注・導入・運行の3時期が結構あいまいで確認できないことも多い。特に1960年以前の古い機体や旧ソ連の機材、軍用機などは資料すらない。基本的にデリバリーとは新造機材がメーカーからエアラインに納入またはリース導入された日。他エアラインからの購入・リースは導入と記載。

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